【実験】簡易防音室「VERY-Q」の性能をレビューしてみた

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どうも。SuSと言います。

とうとうやってしまいました。

DTM人生の中で1番高い買い物を。

そう。タイトルに書いた「VERY-Q(VQP/HQP960 Booth Set)」という簡易防音室です。読み方は「ベリーク」と言います。

今まではPC(iMac)の21万円が最高額だったんですが、それを超えてきました。

 

24万円です。

 

普通に考えて高すぎですよね?

友達とかに言ったら引かれるレベルですね。

 

「嘘やろ?これに24万!?えっ大丈夫!?騙されてない?」

 

自分ならそう言います。笑

まぁでも大人になって、ここまで打ち込めることがあるって素晴らしいことじゃないですか。(適当)

別に必要無くなれば、売れば良いし。

余談ですがVERY-Qを含め、簡易防音室はあまり中古では出回らなくて、出品すればすぐに売れるようです。状態さえ良ければ、16~18万円でも売れています。(メルカリ実績)

 

高い買い物をするときはそこまで考えます。

 

さて、このVERY-Qのレビューは他の方も結構レビューされていて、僕も参考にさせていただきましたが、実際に使ってみてどうなのか。僕の観点からも24万円の価値があるのかレビューしてみたいと思います。

簡易防音室の購入を検討している方の参考になればと思います。

※記事のボリュームが多いので、気になるところだけでも見てみてください。

 

 

何故防音室を買おうと思ったか

そもそもなぜ防音室を買ったのか。

もちろんこの額を払うのはかなり葛藤がありました。

その額を出すなら、新しいオーディオインターフェースとかもっと良いマイクとか色々あるんじゃないか?もっと良いプラグインや楽器とかも。

でも、「今の作曲環境で何が一番ネックになっているか」というのを考えたときに、「歌録り」が一番ネックだなぁと思ったんです。

今までは、文化ホール的なところで普通の部屋(録音環境としては適していない)を借りていました。

 

3時間500円ほどで。

 

過去にこちらの記事で詳細を書いています。

 

そこでは、両サイドの部屋に誰も予約が入っていないような深夜の時間帯を狙って行っていました。MAXの声量で歌うため聞かれると恥ずかしいので。

一度、見回りのおじさんに部屋を確認されたこともあります。
しかも歌っている最中に。(そういう目的でない部屋のため不思議に思ったらしい)

 

「もし今の歌が俺のベストテイクやったらどうしてくれるんじゃこのクソジジイ!」

 

という気持ちを抑えて冷静に説明しました。笑

まぁそんなこんなで、その場所を見つけた当初は概ね満足していたんですが、序々に不満が募っていきました。

かといって、スタジオは高いし怖いし、どうしよう。

もし、周りを気にせず自分の部屋で録音できたら、どんなに快適だろうか。
という思いから簡易防音室を検討するようになりました。

 

簡易防音室のメリット

VERY-Qに限らず、「簡易防音室」のメリットを考えてみます。

大体こんな感じだと思います。

簡易防音室のメリット
  • いつでも何度でも録り直しができる
  • 録り音が良くなる
  • 立って歌える
  • ギターのアンプ録りも出来る
  • 大がかりな工事が不要
  • いらなくなったら比較的すぐ売れる(はず)

簡単に説明します。

 

いつでも何度でも録り直しができる

最大のメリットはこれでしょう。
周りを気にせず、いつでも何度でも取り直しができる。

歌録りを終わって、DAWで編集しているときに

 

「やっぱりこの部分もう一回録り直したい」

 

絶対経験ありますよね?

よく聞くとノイズが入っていたり、ベストな声じゃなかったり。補正じゃどうにもならない。
そういうときは、後日録り直すときもあればそのままで妥協してしまうときもあります。笑

曲のクオリティに直結する部分なので、妥協はあまりよろしくない。
かと言って、もう一回レコーディングをしに行くのはかなり面倒だ。

部屋に防音室があれば、自分が納得いくテイクが録れるまでとことん追求することができます。

あと予約をするとか移動するとかそういう手間もかからないし、時間効率的にも良いです。

 

録り音が良くなる

これは僕が普通の部屋を借りて録音していたせいもあるが、録り音がかなり悪かった。
普通の部屋なので、反響音全部を拾っていました。笑

なので、何もしなくてもリバーブがかかっているような状況です。

意図低にそういった効果を狙っているとき以外は、それは良くないみたいですね。
基本的にリバーブ成分なしのフラットな音をプロは録っているそう。

あと今思うと、録り方も悪かったように思う。

長方形の広めの部屋だったんですが、壁のすぐ近くで録っていました。
これだと、反響音がモロにマイクに入ります。

なので、できるだけマイクを壁から遠ざけるような配置で録音するのが良いらしいです。

防音室を買うついでに調べていて、知りました。

話は脱線したが、つまりは、

「反響音を出来るだけ抑えることで録り音が良くなる」ということです。

防音室は、吸音をしてくれる素材を使っているので、録音に適した環境であると言えます。

 

立って歌える

これは僕だけかもしれないが、録音をするためにノートPCオーディオインターフェースマイクアームスタンドマイクプリケーブル各種といったちょっとした旅行に行くくらいの大荷物でいつも行っていたので、マイクスタンドは大きいため持っていけませんでした。笑

なので、いつも座って歌っていたんです。

歌うときの姿勢って結構重要みたいで、「座るなんて論外だ」という人もいます。

立って歌った方が、声量とか声の伸びとか感情の乗り方とか、結構変わりそうだなぁと思っています。

カラオケでも、立って歌った方が気持ちいいし採点の点数も上がります。(個人的感想)

 

ギターのアンプ録りも出来る

今までは、ギターやベースのライン録りしか出来なかったという方も簡易防音室があればアンプから出した音をマイクで拾って録音するというやり方ができます。

プロはほとんどこの録音の仕方らしいので、こっちの方が良い音になるんだと思います。

ただ、注意点として防音室は防音に効果的な周波数帯が決まっていて、VERY-Qの場合は125Hz~4000Hzと謳っています。

周波数だけを見ると、

「ギターはいけそうだし、ベースもギリいけるじゃん!」

と思いますが、音の性質上「低音の方が人間の耳に大きな音として聞こえる」という特性があるので、ベースは特に怪しいんじゃないかなと個人的には思います。

 

結局「人の耳に聞こえなくする」が目的だと思うので。

 

音楽スタジオの外にいても、ベースとかキックの音だけ聞こえるみたいなことありますよね?あの原理です。
ガチの防音室でもあれだけ漏れるので、簡易防音室だとやはり音量は多少制限されそう。

今後出来れば試したいなぁと思っています。

アンプ持っていないので、そこからになるが。笑

 

大がかりな工事が不要

ヤマハとかで売っているような防音室では、家の中で工事をする必要があります。60〜130万円ほどするみたいですね。

ヤマハ「アビテックス」詳細(公式サイト)

 

それと比べて、簡易防音室は1~2人で比較的簡単に組み立てることができます。もちろん、性能はガチ防音室が上だが。

VERY-Qに関しては、2人で組み立てた方がキレイに仕上がります。

解体も比較的簡単なので、引っ越し作業も自分で出来ます。

 

いらなくなったら比較的すぐ売れる(はず)

冒頭でも書いたが、やはりこれもメリットと言えると思う。

高額な商品なだけに、少しでも安く買いたいという需要が多いんだと思います。

気になるのは、めちゃくちゃ大きいし重いので、送料が高そうってところですね。笑

 

実際のVERY-Qの外観

商品はこんな感じで届きます。

 

めっちゃ大きいし重い。宅配の方、すみませんでした。

 

1つひとつのパーツを強力なマジックテープで固定していく感じで組み立てます。

 

さすがに、組み立てのやり方は詳細に書かないです。完成形がこちら。

 

どうですか?この圧倒的存在感。笑
大きさは「960mm×960mm×2030mm (0.5〜0.6畳)」です。

僕の部屋は割と広い(9.7畳)ので助かった。

中はこんな感じです。

 

電球は別途購入しました。コンセントで電球をつけるやつが意外と探すのに手こずったので商品リンクを載せておきます。

 

iPadを置くための台(譜面台)とマイクスタンドを置くと、後は人が1人入るくらい。

 

他の方のレビューでは「意外と広い」という意見が多い気がしたが、個人的には「やっぱりそんなに広くはない」と感じました。

 

身長は180cmくらいです。

 

歌うのにはまぁ問題ないが、座ってギターを弾くのなら椅子一つが限界だろう。

なので、ギターをアンプで録音するときは、アンプとマイクだけを中に入れて外で弾く形になりそう。中に入って弾く必要はないので。

この中でアコギを弾くって人も多いみたいだが、「弾けなくはないが、弾きにくそう」という印象を受けた。

ななめになって弾けばいけるのかな。

中の地面は木材をベースに吸音材を挟んでいるような構造らしいので、普通の固めの地面です。
購入前は地面は柔らかいのかなと思っていたので、一応。

厚さは大体6cmほど。

 

サイドの壁はこれくらいの厚さ。
正直、これで防音できるのか?と不安を覚える。笑

こちらも厚さは約6cm。

 

こちらは中に入って、ドアの方面を撮ったものなんですが、僕の組み立て方が悪かったのか隙間が空いています。見にくいですが、光が漏れています。

これはなんとか対応しなければいけないなぁ。

 

外観はそんなところです。

 

実際のVERY-Qの効果は?

それでは、本題である防音効果を試してみましょう。

効果を測るために、一応目安となる騒音計(スマホアプリ)を使います。

 

正確な値ではないと思うので、あくまでも目安として。

歌い終わるまでのMAX値で比較して行きます。

 

実験方法

比較対象としては、以下の4パターンにします。

防音効果比較パターン
  1. 普通に部屋で歌い、同じ部屋で計測した場合
  2. VERY-Qの中で歌い、同じ部屋で計測した場合
  3. 普通に部屋で歌い、隣の部屋で計測した場合
  4. VERY-Qの中で歌い、隣の部屋で計測した場合

 

ちなみに、僕の家の構造はこんな感じ。メゾネットタイプの家なので、隣の家とくっついている。隣の部屋とは薄い壁(普通の木材)だけ。

僕の部屋から見ると隣の敵(家)とはクローゼットの空間を挟んで、薄い壁(恐らく隣の部屋と同じくらい)があります。

 

なので、隣の部屋で満足できる防音効果が得られれば、隣の敵(家)には聞こえないだろうという算段です。

防音室の購入を考えている方は、家の間取りも考慮しましょう。

 

① 普通に部屋で歌い、同じ部屋で計測した場合

まずは、普通に部屋で直で歌った場合。

 

MAX値は「93dB」でした。

 

そりゃそうですね。
何もない状態で歌えば「大声・犬の鳴き声」くらいの騒音レベルにはなります。笑

<参照先 TOHO SEIKI

 

ちなみに、敵(隣の住人)が留守であろう時に計測しましたので、ご安心を。笑

一応同時に録音した音データも載せておきます。もちろん「騒音レベル」は再生機器の音量によるので、②〜④のデータとの「音量差」を確認するためのものです。

これがベースとなります。これを②〜④のデータと同じ音量で比較してください。歌の下手さはご勘弁を。

 

 

選曲はロングトーンの曲の方がいいかなと思ったので。

 

 

② VERY-Qの中で歌い、同じ部屋で計測した場合

次に同じ部屋の測定でVERY-Qの中で歌った場合。

 

MAX値は「76dB」でした。①と比較すると「-17dB」ですね。

 

まじか。

正直あまり効果は感じられず、数値的にも「普通にうるさいレベル」ですね。笑

まぁこの薄いパネルを一つかましただけじゃぁ厳しいか。

同じ部屋で計測すればこんなものなのか?

そうなのか!?

実際の音です。少しこもっただけですね。

 

 

③ 普通に部屋で歌い、隣の部屋で計測した場合

次は隣の部屋での計測です。こちらも敵がいないタイミングで
もしいたら最悪だ。笑

 

結果は「81dB」。①と比較すると「-12dB」です。つまり、僕の家の壁の防音性能は「-12dB」ということです。

 

やはり「地下鉄の車内(窓を開けた時)」くらいの騒音レベルはありますね。

こんなのが隣の家から聞こえてきたら殺意が芽生えるでしょうね。笑

実際の音です。

 

体感、同じ部屋でVERY-Qをかました②と同じかちょっとうるさいくらいですかね。

 

 

④ VERY-Qの中で歌い、隣の部屋で計測した場合

さて、いよいよ本丸。頼むぞ。頼むぞ。(切実)

 

結果は「51dB」でした。①(普通に歌う・同じ部屋で計測)との差でいうと「-42dB」。

ただ「VERY-Qの性能」という意味では、③(普通に歌う・隣の部屋で計測)と比較するべきだ。そうなると「-30dB」ですね。

 

うーーーーん。

数値的には「エアコンの室外機・静かな事務所」レベルだが、実際の音はどうだろうか?

 

普通に聞こえちゃってますね。

一般的に「静か」だと思えるレベルが30~40dBらしいので、これは微妙なところですね。笑

一応、家族にも実際に隣の部屋で聴いてもらったところ、

 

「不快ではないけど耳をすますとやっぱり聞こえる」

 

らしい。

まぁ実際、敵の方角は壁と壁の間の空気も挟んでいるし、あと-5dBくらいは期待できるだろう。そうすれば「46dB」か。

 

まだまだですね。やっぱり全く聞こえないレベルまでいかないと安心してレコーディングができない。

 

実験の総評

VERY-Qを開発した宮地楽器が謳っている防音の性能は、1kHzの音で「-30dB」らしい。

上記の通り、アプリの騒音計の数値はあくまでも目安なので、あまりあてにはならないが、同じ部屋で測定した場合の比較では「-17dB」という結果になった。

そして、隣の部屋で測定した場合を比較すると「-30dB」と宮地楽器の仕様通りの結果となった。

個人的には同じ部屋の比較で「-30dB」を期待していたんですが、それは厳しいですかね。

まぁ数値の話は正直あまり気にしていなくて、気にするべきは

 

「VERY-Qの中で歌っても、まだ微かに隣の家には聞こえてしまうレベルだ」

 

という事実です。

僕が期待しすぎ理想が高すぎただけなのかもしれない。

勘違いをしないで頂きたいのは、僕は決してこのVERY-Qを否定しているわけではありません。公式HPに「完全防音ではない」とちゃんと書いてあるしそれを理解したつもりで購入したので、責めるつもりも一切ないです。

むしろ、外観も良いので気に入っています。

えっ後悔?

している訳ないじゃないですか。何を言うんですか。

……でも、ちょっと値段は高すぎるかなとは思います。笑

 

それだけは言わせてもらおう。

 

 

 

まとめ

簡易防音室、及びVERY-Qのレビューをしてみましたが、いかがでしたでしょうか。結果的には、VERY-Qだけで大満足とはいきませんでした。

つまりは、これに何らかのカスタマイズをしてさらに防音効果を高める必要があるということです。

あぁ、またお金がかかるのか。

「結局ヤマハの防音室買うのと同じくらいの値段じゃん!」

となりませんように。

「To be continue …」ということで。笑

近いうちまた記事を書きます。

では。

‘19.05.19 追記  以下、続編を書きました。

 

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