どうも。SuSです。
作曲を行う際、ミキシングとマスタリングって区別していますか?
僕は、Logic Pro Xを使っているのですが、正直あまり区別したことはありませんでした。
というか、ミキシングとマスタリングって同じ意味だと思っていました。
最近は、別に同義ととらえても問題ない的な意見が多い気がします。
ということで、今回はミキシングとマスタリングの違いを調査しましたので、それらを区別する必要性について書いてと思います。
主にネットと書籍からの情報なので、他のブログと被る点もあると思いますが、自分なりの解釈で書きますのでご了承ください。
ミキシング?マスタリング?
まずは、言葉の意味からです。
一般的に、ミキシングとは「1つの曲を構成するトラック(音、素材)同士のバランスを整える作業」のことを指します。
対して、マスタリングとは「作品の仕上げ」のことを指します。CDであれば、CDを作るまでの工程になります。が、ここではCDを作る作業は省きます。
ネットで調べるとよく「マスタリングとはアルバム作成時に曲同士の音量とかダイナミクスを調整する工程」と言われているが、僕はそれを初めて聞いたとき、
と思いました。
僕と同じことを思った方いませんか?笑
結論を言うと、1曲だけ(シングル)だろうが、アルバムだろうが、マスタリングは必要です。
アルバムの場合は上に書いた通り、「曲同士の音量とかダイナミクスを調整する工程」と言う説明で納得できると思うが、じゃぁシングルの場合のマスタリングって何?って思いますよね?
僕はこれが本当に分からなくて、ずっと悩んでいました。笑
それが解決したので、以下に書いていきます。
※ここでは「シングル」とはカップリングとかも含まない1曲のみの作品を指します。
シングル作成時のマスタリング
こんな言い方はしないと思いますが、ここでは分かりやすいように「シングル作成時のマスタリング」と呼びます。
シングル(1曲のみ)を完成させる場合のマスタリングは、方法としては、次の2つが考えられる。
- マスタートラックにプラグインを挿す方法
- 別プロジェクトでマスタリング
マスタートラックにプラグインを挿す方法
これは、当たり前のようにやっている作業ですよね?
場合によってはミックスと同時にやりますね。こんな風にマスタートラックにプラグインを挿して。
これも言ってみれば「マスタリング」なんです。
この作業を「マスタリング」と呼ぶこともあることが、ミックスとマスタリングを混同させる原因なのかなと思いました。
別プロジェクトでマスタリング
もうひとつのやり方として、ミックスが完了したら、マスタートラックには何も挿さずにバウンスでオーディオを書きだし、DAWで新たなプロジェクトを作成し、そのオーディオを読み込んで、ひとつのトラックとしてプラグインを追加していく方法。
Logicで説明するとこんな感じです。
まず、マスターに何も挿さずにバウンス
新規でLogicのプロジェクトを開き、バウンスしたオーディオを読み込む
これで、トラックにプラグインを追加していく。というやり方です。アルバムと同じ方法ですね。
同プロジェクトでマスタリングするか、別プロジェクトでマスタリングするかの違いだけです。
でも、こんなことをする必要があるのか?と疑問が生じます。
メリットとデメリットを考えてみます。
DAWの別のプロジェクトではなく、マスタリング専用のソフトも存在します。例えばiZotopeのOzoneシリーズがそれです。このソフトであれば、DAWのプラグインとしても使用できるし、Ozone単体でプロジェクトを立ち上げることもできます。一度チェックしてみるといいかと思います。
別プロジェクトでマスタリングのメリット
メリットとしては、以下が考えられます。
リファレンスと比較しやすい
これが最大のメリットだと思います。
リファレンスとは「目標とする曲」のことを指します。
こんな曲にしたいというCD音源を別のトラックに読み込んでそれをスペクトルアナライザーで比較して、波形を目標に近づけるというものです。
ミックス工程と同じプロジェクトでマスタリングをすると、このリファレンストラックがマスタートラックのプラグインも反映してしまうため、一々マスターのプラグインを全部OFFしなければいけません。
頻繁に比較することになると思うので、その作業は結構めんどくさいです。
別プロジェクトでマスタリングする場合は、ソロ、ミュートだけで音源を比較することができます。
リファレンス比較専用のプラグインソフトもあるので、チェックしてみてください。「MAGIC AB」というソフトです。
https://sonicwire.com/product/99871
保存ポイントができる
これは後述のデメリットにも繋がることなんですが、ミックスとマスタリングを切り離すことで、「ここまでは、順調な(納得のいく)出来だった」というポイントを保存できます。
僕は特に、同プロジェクトでミックスとマスタリングを行っていて、よく「やっぱり違うしあの時に戻りたい」ということがしょっちゅうあるので、そういう時に保存ポイントがあるのは結構役立ちます。
別プロジェクトでマスタリングのデメリット
デメリットとしてはこんなところでしょうか。
後戻りが面倒
ミックスのプロジェクトと分けているので、もし「やっぱりミックスのここを修正したい」と思った場合は、わざわざミックスのプロジェクトを開いて、それを修正した後にバウンスして、できたオーディオファイルをマスタリング用のプロジェクトに読み込む。
という作業が必要になります。
別プロジェクトでマスタリングする際の注意
別プロジェクトでマスタリングする場合は、注意点が2つほどあります。
まずは、「ミックス完了時に「0dB」を超えていないか」ということです。
0dBを超えてしまっていると、たぶんバウンス時のノーマライズでピークが0dBに合わされてしまうので、全体の音が小さくなる可能性があります。
バウンス時にマスターに何も挿さないとはいったものの、念のためリミッタ-を軽く掛けてもいいかもしれないですね。
もうひとつは、「バウンス時にMP3にしてはいけない」という点です。
MP3にしてはいけないことはないが、マスタリング時にわざわざ音質を落とす必要はないという意味です。
MP3にしたい場合はマスタリングが終了してからすると良いかと思われます。
いつもの設定で、MP3になっていないかということだけチェックしましょう。
まとめ
ミックスとマスタリングの違いと、マスタリングのやり方について書いてみましたがいかがでしたでしょうか。この記事をまとめます。
- ミックスは曲を構成するトラック同士のバランス調整作業
- マスタリングは「作品」としての最終仕上げ
- いつもやっているマスタートラックでの作業が「マスタリング」
- 1曲だけをマスタリングする場合は、別のプロジェクトでマスタリングを行う方法もある
- 別プロジェクトでマスタリングした方が、リファレンスとの比較を行いやすい
- が、結構めんどくさい
以上です。