【防音室】VERY-Qの防音性能をさらに高める方法を考えてみた

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どうも。SuSです。

前回、防音室「VERY-Q」のレビューと称しVERY-Qの防音性能を実験してみたわけですが、個人的には満足のいく結果にはなってくれませんでした。

 

 

防音」のハードルの高さを痛感しました。

そこで、今回はこのVERY-Qの防音性をもっとさらに高めるために、色々試行錯誤してみましたので、その結果を書いていこうと思います。

防音のためならある程度の出費はいとわないスタイルで行きました。

後で、総費用も計算してみます。
VERY-Qと合わせて30万円に収まるようにやったつもりです。笑

VER-Qをお持ちの方、VERY-Qの購入を検討されている方は参考にしてみてください。

 

防音?遮音?吸音?

防音を行う上で理解しなければいけないことがあります。

それは「防音」「遮音」「吸音」という言葉の意味です。
全部同じ意味のように思えますが、微妙に異なるようなので簡単に説明します。

まず「遮音」とは何か。
これは漢字の通り、音を遮るという意味で、もっと分かりやすく言うと音を跳ね返すイメージです。

 

 

対して「吸音」とは、音を吸収し減衰させるイメージです。

 

そして、「防音」とは読んで字のごとく「音を防ぐ」という意味です。
つまり、「遮音」と「吸音」を含んだ総称のようなものです。

 

だから防音室を作りたい、防音性能を上げたいと思ったときは、「遮音」と「吸音」を意識することになります。

 

 

 

VERY-Qに対してできること

吸音」と「遮音」を理解した上で、このVERY-Qに対してできることを考えた結果、これらをやってみることにしました。

VER-Qの防音性を高める案
  • 内側の壁に吸音材を張る
  • 外側の壁に遮音シートを張る

 

恐らく、防音室に多い構造だと思います。

 

吸音材と遮音材の候補として挙げた商品

吸音材

吸音材としては、「ウレタン」や「グラスウール」という素材が適しているそうです。
ウレタンはこんなやつです。見たことあるやつですね。

 

グラスウールはこんなやつ。これは家の壁の中で断熱材としても使われています。

 

吸音の性能としてはグラスウールの方が高いみたいですが、単価が高いのと扱いが難しそうだと思ったので、「ウレタン」を採用しました。

ウレタンと一口に言っても色々な形があるので、商品ごとに防音性能も変わってきそうですが、出来るだけ安く済ませたい。ということで、値段重視で選びました。性能は正直、使ってみないと分からないので。

探したところ、この2つの商品の単価が安かったです。

Amazonのこれは単価が約67円

 

楽天のこれは単価が約150円

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値段だけで見るとエーモンのやつが良いんですが、「厚さ」が倍違うので、恐らく分厚い方が良いだろうということで、楽天の160個セットのやつを購入しました。

 

遮音シート

遮音シートはこの2択だと思われます。
安くて評価の高いダイケン製

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高いけど一番性能が良さそうな日東訪製

 

僕は日東訪を選びました。理由は、ダイケンよりも重いからです。

遮音で一番重要なのは「質量」だそうで、重ければ重いほど効果が期待できるみたいです。

より重い鉛素材の遮音シートとかもあるんですが、重すぎてもVERY-Qがそれに耐えられるのかが怪しいと思ったので、柔らかい素材の遮音シートにしました。

 

ハサミで簡単に切れます。

 

ダイケンは19kg
日東訪は21kg

僅差ですが、願いを込めて東方にしました。笑

 

あとは、ドアの隙間とか、VERY-Qの中の床面とかに貼る用の小さめのやつを購入しました。

 

これはより重いやつなので、気になったところに貼る感じで使いました。

 

吸音材と遮音シートの貼り方

どうやって貼るの?という疑問も出ると思います。

普通は吸音材も遮音シートも強力な両面テープを使うみたいですね。ただ、個人的にVERY-Qをあまり両面テープのような粘性のあるものでペタペタ貼りたくない。

 

剥がせなくなりそうなので。

 

なので、マジックテープ付きの両面テープでつけることにしました。

 

これなら、張り付け位置を間違えたとしても、貼り直しも出来るし引っ越しとかで剥がさなきゃいけないときもキレイに剥がすことができます。

VERY-Qもマジックテープで組み立てているので、どこにでも張り付け可能です。

我ながらこれはナイスアイディアだと思いました。

 

ただ、お金…

 

VERY-Qに貼るなら「オス」を選ばないといけないです。

 

VERY-Q公式のオプション

VERY-Q公式のオプションも存在します。

こんなやつ。

 

これはどうなんだろ。

正直、見た感じ防音性能が上がる気がしないですね。笑
素材も性能も書いていないし、おそらく効果は薄いでしょう。

見た目を気にするならこれもアリかもしれないが、防音効果を期待するなら買わない方がいい気がします。

これが1万円とはなかなか良い商売してますね。笑

 

実際にやってみた

実際に貼りつけました。この作業、めちゃくちゃ大変でした。
もし僕と同じようなことをしようと思っている方がいましたら、覚悟して臨みましょう。

 

吸音材(ウレタン)を貼った結果

ウレタン160個とマジックテープが届きました。

 

やり方は簡単で、マジックテープを細かく4つ分用意して、ウレタンの4つ角にそれらを貼りつけるだけ。

 

見にくいですが、こんな感じで。

 

これを160個分。気の遠くなる作業でした。笑

これは1日じゃ無理だな。

ってことで、とりあえず70個くらい作って貼りつけて、また次の日に続きをすることにしました。

途中経過としては、こんな感じになりました。

 

うん。防音室っぽくなった。

…と満足して寝て次の日に見てみると、

とんでもない光景が広がっていました。

 

・・・

 

まぁまぁそんなこともあるでしょう。
また1から+壁に付いたマジックテープを取る作業。

かなり無駄な時間が発生してしまいました。

で、何がダメだったのかと言うと、マジックテープに付いている両面テープがすぐに取れてしまう(というかウレタンに対応していなかった)ことが問題でした。

この両面テープ、粘着はかなり強い方だと思うんですが(だから4つでいけると思った)、それでもダメでした。

そこで、マジックテープの数を増やして、さらにボンドを使って貼りつけてやろう。

 

こんな感じで1個のウレタンに付き、9個のテープを取りつけることにしました。

 

9×160=1440個 !!!

 

1440個つけましたよ。2週間くらいかかりましたよ。

そのおかげで、一つも落ちることは無くこんな感じで仕上がりました。

 

 

遮音シートを貼った結果

遮音シートは外側に貼りつけます。
こちらもマジックテープで。

遮音シートが届きました。(写真撮り忘れました。)
21キロなんで、めっちゃ重かったです。

それをカッターとかハサミで切って、側面の4方向+上面の5面に、出来るだけ隙間が開かないように貼りつけます。

ただ、不用意に5つに切らない方が良い。出来ることなら、全部繋がっていてほしい訳なので、イメージ的にはこんな感じにしました。

 

上面は重なることになります。

 

ドアの開閉部分を考慮して、5m3.25mに切り分け、こちらもマジックテープで貼ったところ、こんな感じになりました。

 

で、後は残りの部分にJ600の余りと455Hを合わせてドア部分に隙間ができないよう適当に貼り付けて、完成です。

 

こういうのは性格が出ますね。大雑把なもので。笑

 

ちなみに、ドアはめっちゃ開けにくくなりましたが、まぁしょうがないです。

 

効果を検証してみた

さて、気になる効果ですが前回と同様な実験をしようと思います。

以下の環境で騒音レベルを測り、実際の音の漏れ具合を録音しました。

実験方法

・VERY-Qの中で歌い、同じ部屋で録音した場合
・VERY-Qの中で歌い、隣の部屋で録音した場合

の2パターンを記録して、前回のVERY-Qのみの場合(②、④)と比較してみます。

前回の結果はこちら

※ MAX値での比較になります。

 

VERY-Qの中で歌い、同じ部屋で録音した場合

 

MAX値は「64dB」になりました。

 

例のごとく騒音レベルを確認すると、「普通の会話〜掃除機」と同等です。笑

<参照先 TOHO SEIKI

 

ただ、前回の改造前のVERY-Q(②)での結果と比べると、−12dBの効果が得られたことになります。

 

数値的にはまぁまぁの結果ではないでしょうか。

 

実際の音はどうでしょう。

 

やはり、同じ部屋の中では普通に聞こえますね。

体感前回(②)よりも少しだけ音が篭ったのかなぁと言う感じでしょうか。

まぁまぁ想定内です。

 

VERY-Qの中で歌い、隣の部屋で録音した場合

 

MAX値は「41dB」でした。

 

これはかなり良い感じですね。騒音レベルも「静かな住宅地、図書館」くらいになりました。

実際の音がこちら。

 

微妙〜〜に聞こえるくらいですね。

これだったら、昼間に歌えば何の問題もないレベルだと言えるでしょう。

 

これで結果が出なかったらどうしようと思っていたので、良かった。笑

 

総評

前回から今回までの実験をまとめると、こうなりました。

No.歌った場所録音場所騒音レベル実際の音
部屋(VERY-Qの外)同じ部屋93dB
VERY-Q同じ部屋76dB
部屋(VERY-Qの外)隣の部屋81dB
VERY-Q隣の部屋51dB
VERY-Q(改造後)同じ部屋64dB
VERY-Q(改造後)隣の部屋41dB

 

②番と⑤番」、「④番と⑥番」の差がVERY-Qを改造をしたことによる効果になるので、この記事で書いた改造を施すことによって、「−10dB 〜 −12dB」程の効果が得られました。

つまり、

VERY-Qの内側にウレタン(吸音材)を敷き詰めて、外側に遮音シートを貼ることで、−10dB以上の防音効果が得られる

と言える。

実際の音を聞いても微かに聞こえるレベルなのでこれで一応隣の家に被害を与えることはないように思える。

 

 

 

VERY-Qに使った総額

さて、気になる総費用を一応計算してみます。

※ 大まかな値段です。

商品費用
VERY-Q本体249000円
ウレタン160個23800円
遮音シートJ6006400円
遮音シート455H4500円
マジックテープ4100円
電球2300円
電球ソケット3m3800円
合計293900円

 

一応30万円以内には収まりましたね。

まぁでも、このレベルの防音でもこれくらいの値段は掛かるということですかね。

 

まとめ

VERY-Qの防音性をさらに向上させるために色々試してみましたが、いかがでしたでしょうか。

欲を言えば、もう少し効果があっても良かったんじゃないかなぁとは思ってしまいます。

まぁそれでも、静まり返った深夜以外であれば隣の家に害を与えることはなくなったはずです。これでやっと周りを気にせずに録音できそうです。

 

とりあえずは満足できました。

 

トータルの所感として、

防音をするのは難しいしお金が掛かる

これは間違いない。笑

以上です。誰かの参考になれば幸いです。

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